基本的事項にて大変恐縮でございますが、Illustratorデータ制作時にご留意頂きたい内容は次項の通りでございます。ご参照下さいませ。以下の内容につきましては、弊社データチェック時にご確認させて頂く事が出来かねる内容となります。恐れ入りますがデータ制作時およびご入稿前には、十分ご留意頂きますようお願い致します。
※[STEP]内のメニュー文言などはお使いのバージョンによって異なる場合があります。
カラーモード
印刷用のデータはプロセスインキ(一般の印刷インキ)であるCMYKである必要があります。RGBで制作されている場合、下記の方法でCMYKカラーに変換をして下さい。
CMYKカラー指定方法
STEP
- 「ファイル」→「書類のカラーモード」→「CMYKカラー」を選択します。
トンボとヌリタシの作成方法(仕上りサイズの設定方法)
Illustratorには、トンボを作成する機能(トリムマーク)がありますので、そちらを利用してトンボを作成します。
トンボ(トリムマーク)の作成方法
STEP
- ツールパレットの長方形ツールを選択します。
- 色を塗りと線共に、なしに設定し、長方形ツールをダブルクリック、又はアートボード上でクリックし、仕上げサイズを入力します。
- 1.で制作したオブジェクトを選択した状態で「オブジェクト」や「フィルタ」メニュー→「トリムマーク」を選ぶとトンボ(トリムマーク)が作成されます
トンボ作成時のご注意
ご使用のバージョンによって「オブジェクト」→「トンボ」→「作成」がありますが、これは印刷データとして適切ではないので正しく印刷できません。「オブジェクト」や「フィルタ」→「トリムマーク」をご使用下さいませ。トンボ(トリムマーク)自体をオブジェクトとして選択できていれば問題ありません。(オブジェクトとして選択できない場合はオブジェクト分割で選択できるようになります)
ヌリタシの作成方法
画像・線・図形など仕上り罫にかかるものは全てヌリタシを上下左右3mmずつ必ず余分につけて下さい。
「ドキュメントのサイズ」をヌリタシ分が含まれたサイズで設定する必要があります。
例えばB3サイズの印刷をする場合、B3サイズ→364mm×515mmに対して、ヌリタシ4辺に3mmずつ追加して、370mm×521mmとなります。下記の表をご参考にして下さい。
[ <ご参考> 各規定サイズ毎のドキュメントの設定サイズ ]
ご注文サイズ | ドキュメントの設定サイズ | |
---|---|---|
インターサイズ | 280mm×515mm | 286mm×521mm |
B3サイズ | 364mm×515mm | 370mm×521mm |
B2サイズ | 515mm×728mm | 521mm×734mm |
A1サイズ | 594mm×841mm | 600mm×847mm |
B1サイズ | 728mm×1,030mm | 734mm×1,036mm |
仕上り罫と仕上りサイズの位置について
◆仕上り罫
下図のように仕上り位置を実線にて設定されますと、商品にもその線が印刷されてしまいます。また、断裁時の小さなズレにより線が見える部分と見えない部分がでてきてしまう恐れがありますので、仕上り罫は線なしで行って下さい。※仕上りはガイドライン(定規の機能)にてご確認下さいませ。
◆仕上りサイズの位置
文字データが仕上りサイズの外側にかかるデザインの場合も、原則ご入稿データ通りでの進行となりますのでご注意下さい。あえて、デザイン上でかかっているのであれば問題ございません。※文字データは、仕上りサイズの3mm内側に配置すると安全です。
フォントのアウトラインのお願い&作成方法
Illustratorには、フォントのアウトラインを作成する機能がありますので、そちらを利用してアウトラインを作成します。
フォントのアウトラインの作成方法
STEP
- すべてのレイヤーの目玉を表示し、すべてのレイヤーのロックを解除します。
- 「オブジェクト」→「すべてを表示」で、すべてのオブジェクトを表示します。
- 「オブジェクト」→「すべてのロックを解除」で、すべてのオブジェクトのロックを解除します。
- 表示されていないテキストがオブジェクトとして残っている場合がある為、「選択」→「オブジェクト」→「余分なポイント」を選択し、オブジェクトが選択されていれば削除して下さい。
- 「選択」→「すべて」を選択し、 「文字」→「アウトライン作成」を選択します。
アウトライン時のご注意
アウトライン化するとフォント情報が失われます。よって「上書き保存」をすると、後に再度そのデータの編集をする場合、大変困難になります。
アウトラインを行ったデータを保存するときは「別名で保存」を選び、「アウトラインしたデータ」と、「アウトラインしていないデータ」とを区別できるファイル名にしておくことをお勧めいたします。
[例]
アウトライン前(作業用):「poster.ai」
アウトライン後(納品用):「poster_outline.ai」「poster_outline.eps」
オブジェクトとレイヤーについて
印刷されないオブジェクトが残っていたり、レイヤーの非表示で印刷されないレイヤーが残っておりますとトラブルの原因になる可能性がある為、下記についてそれぞれご確認をお願い致します。
印刷されないオブジェクトの削除
上記の「フォントのアウトラインの作成方法」の[STEP] 1~4を行った後、トンボの外側にオブジェクトがある場合、削除して下さい。(トンボの外側にはヌリタシのみがある状態です)。
レイヤーの統合
上記の「フォントのアウトラインの作成方法」の[STEP] 1~3を行った後、レイヤーパレットのメニューから「すべてのレイヤーを結合」を選択して、レイヤーを1つにして下さい。
オブジェクトの表示とロックの解除
上記の「フォントのアウトラインの作成方法」の[STEP] 1~3を行って、非表示のオブジェクト、ロックされたオブジェクト、ロックされたレイヤーをなくして下さい。
リッチブラック(スミの濃度の違いによるご注意事項)
画面上ではスミ同士の色の差がないように見えてもブラック部分の濃度差が違う場合、写真や文字などのオブジェクトとスミ100%のアミが重なりますと、システム上オーバープリント設定になるため、下図の(1)のような仕上りになってしまいます。(下層にある写真や文字、イラストなどが透けて見える状態)
透過を避けるための解決方法
どうしても透過を避けたいという場合にはいくつかの方法がありますが、上図(2)または(3)のようにK(ブラック)以外のCMYのいずれかに1%でも色を加えることで透過を避けることが可能です。この場合リッチブラック設定が最良です。
※C・M・Y・Kの数値の合計が300%を超えるとインクが乾かず、汚れ・裏うつりなどのトラブルの原因となります。
[ 例 ]
通常のリッチブラックの場合 C:30% + M:30% + Y:30% + K:100% = 190% OK
濃度が高すぎる場合 C:100% + M:100% + Y:100% + K:100% = 400% NG
※スミノセによる透過現象は、写真画像のほかにも文字やイラストなどの場合、スミベタのオブジェクトの上に背景がブラックの画像を配置した場合も同様に起こって参りますので、データ制作の際には十分ご注意下さいませ。
リッチブラックとスミ100%の使い分け 参考例
※デザインによっては、以下の色設定にしていただいた場合でも不具合が生じる可能性がございますので、あくまでも例としてご参考にしていただければと存じます。
- 透過を避けたい箇所・くっきりとした黒にしたい箇所(黒ベタ等比較的広い面積)
…C:1% + M:0% + Y:0% + K:100%(CMYのいずれかに1%色を加える) 又は
…C:30% + M:30% + Y:30% + K:100%等 - ふちどり文字になっている黒文字
…C:0% + M:0% + Y:0% + K:100% - 通常の黒文字(小さな文字等)
…C:0% + M:0% + Y:0% + K:100%
オーバープリントについて
オーバープリントの設定を行うと意図しない仕上りになる場合がございますので、設定しないようにお願い致します。
オーバープリント設定の確認
STEP
-
「画面」→「オーバープリントプレビュー」を選択します。※変化がないか確認して下さい。※オーバープリントのチェックがない場合、「オーバープリントプレビュー」でも変化はおこりません。※オーバープリントのチェックがついている場合、「オーバープリントプレビュー」にすると、上記の例の様な変化がおこります。(これらはわかりやすくする為、擬似的に透過の現象を表現してます)
特別な機能を使用した際のご注意
クリッピングマスクに使用するオブジェクトについて
クリッピングマスクに使用するオブジェクトは、塗りと線共に、なしにして下さい。
オブジェクトの分割や拡張、ラスタライズ
効果・ブレンド・パスファインダ・パターン・ブラシ・透明・グラデーションメッシュなどの機能を使用された場合、印刷結果が異なってしまう可能性があります。下記の方法でオブジェクトを分割や拡張、又はラスタライズ(画像化)をして下さい。
STEP
- 機能を使用したオブジェクトを選択します。
- 「オブジェクト」→「アピアランスを分割」、又は「オブジェクト」→「分割・拡張」を選択し、特別機能が適用されていない普通のオブジェクトになっていることを確認して下さい。透明・グラデーションメッシュを適用したオブジェクトは、「オブジェクト」→「ラスタライズ」(CMYK・高解像度)で画像化して下さい。
※必ず分割後・拡張後・ラスタライズ後のオブジェクトをご確認下さい。